地理的表示「喜多方」(清酒)生産基準について
喜多方清酒の特性と魅力
喜多方の純米酒は、柔らかな丸みと芳醇な旨味、リンゴやバナナを思わせるフルーティな香りが特徴です。口に含むと爽やかな甘みが広がり、軽快でキレの良い後味が楽しめます。この特徴は、旬の野菜や山菜、特に喜多方産のアスパラガスや「山都そば」といった地元料理と相性抜群です。
酒類の特性が喜多方の環境に由来する理由
自然的要因
喜多方は福島県会津地方北部の盆地に位置し、飯豊連峰や磐梯山といった山々に囲まれた地域です。
この地の豪雪は、軟らかくまろやかな伏流水を生み出し、良質な酒造りに欠かせない条件を提供しています。また、昼夜の寒暖差が大きい気候は、甘みのある米を育む要因となっています。この地で栽培される「五百万石」や「コシヒカリ」などの米が、喜多方清酒の芳醇な味わいを支えています。
人的要因
喜多方の酒造りの歴史は江戸時代に始まり、長年にわたり地元の蔵元たちが技術を磨き、共有してきました。特に冠木房八や石川市十郎といった先人たちの尽力により、地域特有の酒造技術が確立されました。また、昭和初期には「耶麻醸友会」が設立され、技術向上に努めてきた歴史があります。現在でも「喜多方杜氏組合」が伝統を守りつつ革新を取り入れ、品質向上を図っています。
原料と製法
使用する原料
1. 米および米こうじ
産地内で収穫された、農産物検査法に基づく3等以上の米を使用。
2. 水
産地内で採水されたものを使用。
製法
1. 酒税法に基づく清酒の製造方法で、産地内で製造。
2. 清酒の製法品質表示基準を満たすこと。
3. 貯蔵および容器詰めはすべて産地内で実施。
品質管理
「喜多方」の地理的表示を使用する酒類は、製造から出荷までの過程で以下の基準を満たす必要があります:
1. 産地特有の特性を満たしていること。
2. 定められた原料・製法基準を遵守していること。
管理機関
• 名称:GI喜多方清酒管理協議会
• 住所:福島県喜多方市字北町2932番地(夢心酒造株式会社内)
• 電話番号:0241-23-0400
対象品目
清酒
喜多方の豊かな自然と伝統が織りなす地酒の魅力を、ぜひ味わってみてください。